YouTubeチャンネルに山本義徳筋先生との対談動画をアップしました。

筋肉食堂のYouTubeチャンネルに、筋トレ・ボディビル界のレジェンド『山本義徳』先生との対談動画をアップしました。

「体を大きくするために何から始めたらいい?」

「1回に摂れるたんぱく質量に限界はある?」

「ある程度脂肪がある場合は最初から筋トレがいい?痩せてから鍛えるべき?」

などなど、普段筋肉食堂のお客様からも寄せられるご質問などを筋肉食堂マネージャーの谷川が山本先生に質問し、すべてお答えいただきました。

かなり濃い内容となっておりますので、ぜひ動画でご覧ください。

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以下、対談内容を文字お越ししておりますので、動画を見れない環境にいらっしゃる方や、後から読み返したいときにご覧いただけましたら幸いです。

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Q.大きな体にあこがれる方いらっしゃると思うんですけど、体を大きくするためには何から始めるのがいいですか?

A.食事内容を変えていくことになるんですけど、具体的にどのように変えていくかとなりますと、最初に『たんぱく質』を摂ることが大事になります。

筋肉が大きくなることは筋肉がたんぱく質を合成していく必要があるんですけど、たんぱく質を合成する酵素が活性化しないといけない

体のいろいろな代謝、ホルモンをつくったり、神経伝達物質をつくったり、逆に脂肪を燃焼したり、筋肉を合成したり、こうしたものは全部「代謝」というですけども、代謝、化学反応ですね。それを起こすためには体内においては酵素が必要になってきます。

その酵素がちゃんと働いてくると、筋肉のたんぱく質が合成されるということになります。酵素を活性化するときに何が必要かといいますとアミノ酸なんですね。アミノ酸による刺激が酵素を活性化してたんぱく質を合成するということになってきます。

そしてある程度のインスリン。インスリンがいわゆる同化ホルモン、同化というのは筋肉とか脂肪とか栄養素を体内に貯えようとするもの、同化の反対が異化、異化というのはいろいろ分解していくということになります。

同化していくためにはインスリンが必要なんですけども、インスリンを出すために糖質とアミノ酸が必要になってきます。たんぱく質と糖質の組み合わせによってアミノ酸とインスリンを出す、そうすることによって筋肉のたんぱく質がしっかり合成されるということになります。

ここで大事なのは体を大きくするときに脂肪はできるだけ増やしたくない。同化といっても筋肉の同化と脂肪の同化、一般的には両方起こってしまいます。

ではどのようなときに脂肪も同化されるのかといいますと、インスリンが出すぎると脂肪も増えてしまうということなんですね。ですので、インスリンは出しすぎない、安定させて出す。

一気に出てしまいますと、筋肉も脂肪も増えてしまう。でもインスリンが持続的に少しずつ出るのであれば脂肪はあまり増えない。筋肉の方だけ増やすことができるということにになるわけです。

たんぱく質はきちんと摂った上で、少しずつインスリンを出すようなゆっくり吸収される糖質を摂っていくということが大事になってきます。

糖質というと白米とかうどんとかパスタとか、そういうものが皆さんメインで食べられていると思いますけども、そうしたものよりゆっくり吸収されるものですね、具体的には玄米とかオートミールとかそばとか、そうしたものを食べた方が筋肉だけを増やせる。

もちろん、筋肉も脂肪も両方とにかく増やしたい、とにかくデカくしたい、というんだったら白米とかうどんとかいっぱい食べちゃっていいんですけど、あまり脂肪を増やさないで筋肉だけ増やしたいという方の場合には、ゆっくり吸収されるそばとかオートミールとかサツマイモとかもいいんですけども、そうした糖質、あとはしっかりたんぱく質を摂る、ということが大事になってきます。

 

Q.体を大きくしていくうえで、1日に必要なたんぱく質量は体重×2gみたいなことは言われていたんですけども、たんぱく質の最適なグラム数の目安はありますか?

A. 体重×2とか3とか4とかいろいろなレベルで研究した論文があるんですけども、そうしたものを見ていきますと、3.3を超えるとあまり意味がないという内容になっています。

どのくらい摂ると体に悪いのかなんですけども、体重×4.4g摂っても問題なかった、というような報告があります。体重×4.4って普通に食べたらちょっと無理なんですよね。プロテインばんばん飲んでやっとそれぐらいなんとかいけるかどうかということなので、実際問題として、たんぱく質摂りすぎによって健康的な問題が起こるということはまずないと考えていいんです。

もちろん、腎臓が悪い人、eGFRという血液検査の数値みたいなものがあるんですけども、それによって軽度の腎臓病まででしたらたんぱく質を摂っても問題ない、というようなことも腎臓病に関する学会とかでも言われています。ですので、普通の、特に腎臓に問題がない人はいくら摂っても問題はないと。そして厚生労働省もたんぱく質の上限摂取量を特に定めていないです。これ以上摂っちゃダメ、というような量は特にない、ということがありますので、実際にはいくら摂っても大丈夫。

ただし、3.3を超えると無駄ではないか、という論文も出ています。3.3よりももう少し少ない、2.8ぐらいが上限なのではないかということになっているんですけども、2.8といっても、実際のたんぱく質の質、いわゆるプロテインスコア・アミノ酸スコアと呼ばれるものがあるんですけども、どのようなたんぱく質から摂るか、アミノ酸のバランスですね。それによっても変わってきますので、あまり細かい、例えば180gだったらOK、200gだったらダメとか、そういうことはありません。

ある程度大雑把に2.5ぐらい、体重×2.5gぐらい摂っておけば、まず無駄は少ないだろう、2.8を超えると無駄が大きくなるんじゃないか、それぐらいで考えておけばいいんじゃないかと思います

あとは糖質の摂取量でもまた変わってくるんですね。全体的なカロリーですとか、糖質の摂取量が少なくなってくると、たんぱく質が分解されやすくなってきます。逆にいっぱいカロリーを摂っていて、糖質もちゃんと摂っている、となりますと、たんぱく質を節約する作用、プロテインスペアリングというんですけども、そうする作用があって、いっぱい食べているときはたんぱく質の量が少なくても同じように筋肉を増やすことができる、ということがありますので、トータルのカロリーでもまた変わってきます。

減量している場合、カロリーが少ない場合で、体重×2.8ぐらい摂っておけばまず問題ない。2.5ぐらいでも大丈夫。いっぱい食べてバルクアップしたい、というときだったら、体重×2でも十分筋肉を大きくすることができる

 

Q.1回の食事でのたんぱく質の摂取・吸収の限界はありますか?

A. これはですね、実際いっぱい摂ってしまっても十分吸収できますたんぱく質とか肉とか魚とかの消化吸収率は95%を超えているんですね。ですので、いっぱい食べたからといって吸収されないということはまずない

じゃあどうなるかといいますと、一般的に3つのルートを通ります。1つは他のアミノ酸に組み替えられます。もう1つは尿になって捨てられます。そしてもう1つが脂肪になる。ただ、脂肪になるというのは現実問題としてないです。さきほど体重×4.4g摂っても健康に問題ないという話をしましたけれども、体重×4.4g摂った論文ではむしろ脂肪は減っていた、ということがあるんですね。それだけたんぱく質を摂ると他のものが食べられないということもあるんですけど、ですので実際問題として、たんぱく質をいっぱい摂って脂肪になるということはまずないと考えていいです

他はどうなるかというと、尿として捨てられるか、他のアミノ酸に組み替えられるか、ということなんですけども、ここで大事なのは体がアミノ酸・たんぱく質をどれくらい必要としているかということです。

普段からいっぱい食べていたら、必要ない分は尿になったりするんですけども、普段あまり食べていない場合は尿になる分が少なくなる。他のアミノ酸に組み替えられる割合が増える、ということになります。

ですので、たとえば1日に100gのたんぱく質が必要な人がいた場合、100gいっぺんに摂っても吸収されるわけですね。必要な分が吸収されると考えてください。

いろいろな論文がありますけども、1回に40g摂った場合と20g摂った場合、40g摂った方がたんぱく質合成が大きくなってます。ですので、20gがMAXという話も昔はあったんですけど、実際には40gぐらい摂った方がたんぱく質合成が増える。特に年をとってくるといっぱい摂らないとダメ、ということがわかってきています。

ですので、若い人は20gを1日何回にも分ける、ある程度年をとったら1回40gをもう少し少ない頻度で摂る、その方がもしかしたら効果的かもしれません。

 

 

Q.1日の食事を何回かに分けた場合、食間はどのくらい空けた方がよいでしょうか?

一緒に何を食べるか、例えば牛肉と鶏肉だと消化スピードがまた違ってくるんですね。脂肪が多くなってくる、例えばステーキなんかだと食べて12時間ぐらい胃に残るという話もあります。鶏肉とか皮がなくて脂肪が少なかったりするともう少し消化が早くなったりということもありますので、たんぱく質だけでいいますと、脂肪は残るけれどもアミノ酸は食後2時間ぐらいすると血液中にかなり出てきます

ですので、2時間以上空ければ、次の食事を摂っていいということも言えるかもしれません。ただ、脂肪はちょっと残っていますので、胃もたれするかもしれないです。

 

Q. これからサプリメントを飲むような人は何から摂ればいいか、オススメはありますか?

A.目的にもよりますけども、体を大きくしたいのでしたら、まずたんぱく質としてプロテインを摂った上で、プラスアルファでクレアチンがやっぱり効きやすいかなと思います。ただ、プロテインやクレアチンを効かせるには十分なビタミン・ミネラルがないとダメなんですね。

ですので、普段の食生活が充実している人だったらいきなりプロテインやクレアチンの効果が出るかもしれませんけども、いい加減な食事をしていてビタミンが足りていないとかなり無駄になってしまうということがありますので、プロテインとかクレアチンを飲むのと同時にできればビタミン系のサプリメントも摂った方がうまく利用できるかなと思います。

他にもし摂れるのであればEAAですね。プロテイン・EAA。プロテインだとやっぱり消化・吸収がゆっくりということもあって胃腸の負担があったりするんですけども、EAAは最初から消化・吸収・分解されていきますので、胃腸への負担が全然ない。プロテインを飲んで胃もたれするなという人はEAAに変えてしまいますと、胃腸への負担もなく十分なたんぱく質・アミノ酸を摂ることができると思います。

量が少ない場合はBCAAの方がいいんですけど、十分な量が摂れる場合、EAAの中に十分な量のBCAAも入っていますので、EAAの方がプラスアルファ摂ることができますので効果が高くなります

 

Q. 中肉中背の男性がこれから体をバキバキにしていくために、筋トレから始めるか、ダイエットして痩せてから鍛えた方がよいか、どちらがよいでしょうか?

A. ある程度体脂肪があると仮定した場合、一回痩せた方がいいです

一回痩せた方が体がムクムクして体脂肪が多い状態だとトレーニングするときの可動域が狭くなるんですね。曲げるときにも体脂肪が多いとちゃんと曲がり切らないとか、引き切ることができないとか、そういうことがありますので、ある程度痩せて体脂肪を減らした方が可動域が広がって効かせやすいということがあります。

そして、体脂肪が多い状態だとインスリンの感受性、インスリンの働きも悪くなりますある程度減量して、インスリンの働きをよくする。そうしますとインスリンが脂肪ではなく筋肉の方に働くようになります

体脂肪が多いままだとインスリンが筋肉ではなく脂肪の方に働いてしまうんですね。そうすると食べたときにその栄養素が筋肉ではなく脂肪の方に行ってしまう、太りやすくなっちゃう。最初はまず軽く減量してインスリンの働きをよくする。インスリンが脂肪ではなく筋肉の方に働くようにする。

一回絞ってインスリンの働きをよくしてからちゃんと食べてバルクアップしていく、そうすると筋肉だけ増やしていけるようになります

 


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