日本人はタンパク質の摂取量が圧倒的に足りない。
炭水化物で腹を膨らませてはいけない!
人間が1日に必要とするタンパク質は、
体重1キロにつきおよそ1グラムだと言われています。
しかし、これは厚生労働省が約20年前に発表した「これくらいとっていれば健康に害はないですよ」という必要最低限の量です。
実は、筋肉量を増やし、代謝を上げたいなら、その2〜2・5倍とらなければいけません。
例えば体重60キロの人なら、120g〜150g取らなければなりません。
具体的に言うと、鶏ムネ肉1枚に含まれるタンパク質がおよそ40グラムだから、毎日3枚強は食べなくてはいけないということになります。
しかも最近は2倍どころではなく、もっと必要だという説も出てきています。
3倍、4倍食べないと、筋肉が分解されるのに追いつかないと言われています。
ところが、多くのビジネスマンは、時間に追われて、「朝はパンとコーヒー、昼はドンブリもの、夜はラーメン」というような、炭水化物中心の食生活を送っている方が多いと思います。
これでは、タンパク質の摂取量が足りなすぎます。
炭水化物で腹を膨らませていると、タンパク質が入る余地がなくなる。
これだけは絶対に避けたいのです。
▼スポーツ界でもシニアになると差がつくのは、タンパク質摂取量の差
私が気になっているのは、アスリートたちのタンパク質不足です。
日本のスポーツ界において、ジュニアやユースの世代は世界での活躍が多々見られます。
体格も、10代のうちはそれほど差がなく、
技術的にも優っているように見えます。
しかし、それがシニアの世代になると、フィジカル面での差が開いていきます。
海外の選手は20代、30代になってからのほうが伸びることが少なくありません。
それはやはり子どものころから日常的にタンパク質を大量に食べる習慣が根づいているからだと思っています。
日本の場合、野球でもサッカーでも本格的にスポーツをやっている子どもたちは、とにかく「コメを食え」と言われます。
高校球児が合宿などでドンブリ飯を何杯も食べさせられている映像を見たことがある人も多いと思います。
豊富な練習量に必要なエネルギーを補給するという意味合いが大きいのだと思います。
しかし、欧米などのスポーツ先進国では、若いころから炭水化物ではなく、
積極的にタンパク質をとることが重視されています。
もちろん、炭水化物は重要な栄養素です。
しかし、本当に健康な体をつくるためには、スポーツ選手に限らず、私たちもタンパク質を意識的に摂取するよう心がけるべきなのです。