トレーニーの必須知識「アミノ酸スコア」ってなんだ?
さて、ここからはいよいよ具体的な食材について説明していきます。
その前に、タンパク質を選ぶ目安である、「アミノ酸スコア」についてお伝えします。
少し専門的な話になりますが、タンパク質は20種類のアミノ酸で構成されています。
そのうち体内で合成できないアミノ酸が9種類あり、「バリン」「ロイシン」「イソロイシン」「トレオニン」「リシン」「メチオニン」「フェニルアラニン」「トリプトファン」「ヒスチジン」というアミノ酸がそれです。
これら「必須アミノ酸」は、体内で合成できないので、食品から摂取するしかありません。
実は、この9種類の必須アミノ酸がすべてそろわないと体内で十分なタンパク質が生成されません。
だからその食材に必須アミノ酸がどれくらいバランスよく含まれているかが大事になってきます。
それらを示す数値のことを「アミノ酸スコア」といいます。
ちなみに、アミノ酸スコアは100が上限で、この値が高いほど、同じ量を食べても筋肉がつきやすいということになります。
▼動物性タンパク質の9割は、アミノ酸スコア100
牛肉、鶏肉、豚肉などの食肉。マグロやアジなどの魚、卵など、動物性タンパク質のアミノ酸スコアは、ほぼ100になっています。
一方、野菜類などの植物性タンパク質は、大豆など一部を除いてアミノ酸スコアが低い傾向があります。
ということは、「植物性タンパク質を食べても十分にタンパク質を生成できないのでは?」と思うかもしれませんが、植物性タンパク質でも筋肉はつきます。
いろいろな種類の植物性タンパク質を組み合わせることで、必須アミノ酸のバランスが整うからです。
たとえば陸上のカール・ルイスは菜食主義として有名ですが、立派な筋肉のついた体で世界記録を樹立しています。
また、牛肉や豚肉は部位によって脂肪など余分なものも多いことがあるので、動物性タンパク質ばかりとっているとカロリー過多になるリスクもあります。
一方、植物性タンパク質のなかでも、大豆や大豆加工品のアミノ酸スコアは100です。
しかし、豆類には糖質も多い。
したがってタンパク質はできるだけいろいろな食材からとるのが望ましいと私は思っています。
また、トレーニーのなかには、毎日鶏ムネ肉ばかり食べている人もいるが、人によっては飽きがきて継続できない方もいます。
僕自身も、動物性タンパク質と植物性タンパク質をとり交ぜながら摂取するように意識していいます。
そう考えると、大切なのは、各食材の特徴についての知識を蓄えて、それをもとにさまざまな食材からタンパク質を摂取することだと思います。
次項からは、タンパク質を豊富に含む食材とその特徴を1つずつ紹介していきます。