ササミとムネ肉。食べるならどっち?
ササミが、ベストプラクティスではない!?
鶏ムネ肉が最強食材である理由
昔から、ボディビルダーたちのあいだでは、
「筋肉をつけたいなら鶏肉がベスト」と言われてきました。
なぜなら鶏肉は、高タンパク・低カロリーのお手本のような食品だからです。
そんな鶏肉のなかでも特におすすめの部位は「ササミ」というのが長い間、定説でした。
タンパク質の含有率は、どちらも100グラム中、約23グラムですが、ムネ肉は100グラム中、脂質が1.9グラムあるのに対し、ササミは0.8グラム。
鶏肉のなかでも最も脂質が少ないのがササミだからです。
ちなみに、モモ肉は鶏肉のなかで最も脂肪が多く、皮つき肉の脂質は19グラムになります(ただし、皮を取り除けば4.8グラムに減る)。
しかし、私はどちらかというと、ムネ肉を推奨しています。
その理由は、ムネ肉には疲労回復に役立つ成分が含まれているからです。
渡り鳥は何日間も眠らずに飛び続けることができます。
人間には到底、不可能な芸当です。
そんなことができるのは、翼を動かしているムネ肉に「イミダペプチド」という物質が含まれているからだと言います。
このイミダペプチドは、われわれ人間の疲労回復にも威力を発揮することがわかっています。
ニワトリは、渡り鳥ではないですが、そのムネ肉にもイミダペプチドは含まれています。
筋トレをした後に、ムネ肉を食べると、
イミダペプチドの効果で疲れが早くとれるということです。
また、鶏ムネ肉は牛肉や豚肉だけでなく、同じ鶏肉のササミやモモ肉と比べても、値段が比較的安いです。
牛肉を毎日食べ続けるのは経済的に厳しいという人も、ムネ肉なら毎日食べることができるのではないでしょうか。
なお、鶏ムネ肉は多くの場合、皮がついたまま売られています。
この皮はほとんど脂身なので、体を引き締めたいならば、包丁で取ることをおすすめします。
一方、筋肉を大きくしたいときは皮も食べたほうがいいです。
詳しくは後述しますが、脂質は筋肉をつけるためには欠かせない栄養素だからです。
▼梅干し、キムチ、ジェノベーゼ……、「味変」で飽きを撃退
鶏ムネ肉は塩コショウだけでも十分おいしいが、毎日食べていると飽きがくる。
そんなときは「味変」で乗り切りましょう。
鶏ムネ肉は淡白なので、いろいろな味つけの変化を楽しめると思います。
私の働いている「筋肉食堂」では日替わりで鶏肉のソテーを提供していますが、
あるときはサルサソース、あるときは大葉ジェノベーゼソースというように、さまざまなソースで変化をつけています。
梅干し、レモン、キムチ、ガーリックなどの食材とも相性が抜群です。
巻末のレシピを参考にして、ぜひオリジナルの味つけに挑戦してみてください。