
固定観念を捨てろ!
良質の油を味方につけて筋肉をつける
「ダイエットに油は大敵」というのが、長い間の常識でした。
しかしすでに説明したように、脂質は三大栄養素の1つであり、人間の体を正常に保つためには絶対に欠かせない栄養素です。
筋トレについても同じことが言えます。
なぜなら脂質は、筋肉を育てるホルモンである「テストステロン」の分泌を促すからです。
男性は20代以降、加齢によってテストステロンの分泌が減少すると言われています。
女性も筋肉をつくるのにテストステロンは欠かせない。
ただし、ここで言う油と言っても良質な油に限った話です。
ジャンクフードなどに含まれる「トランス脂肪酸(油脂を精製・加工する過程でできる油)」やサラダ油、酸化した油は論外です。
では、良質な油とはどんなものなのか?
それは、
「飽和脂肪酸」「オメガ9脂肪酸」
「オメガ6脂肪酸」「オメガ3脂肪酸」の4種類。
それぞれが含まれる食材は、次の通りです。
(1) 飽和脂肪酸:牛肉、卵、バター、ココアバター、ココナッツオイルなど
(2) オメガ9脂肪酸:オリーブオイル、アボカドなど
(3) オメガ6脂肪酸:紅花油、大豆油、ごま油など
(4) オメガ3脂肪酸:サバ、イワシ、アジなどの青魚、エゴマ油、アマニ油など
特に、オメガ6脂肪酸とオメガ3脂肪酸には、人間が健康に生きていくためには必要ですが、人間の体では生成できないので食事からとる必要がある「必須脂肪酸」が含まれているので、意識してとるようにしたい。
なお、オメガ3は熱に弱く酸化しやすいので、料理に使うよりは常温のまま料理にかけたり、食材とあえたりして食べるのがオススメです。
ただし、どんなに体にいい油でもとり過ぎれば太ります。
普段の食事にプラスしてこれらの油をとるのではなく、炒め物の油をオリーブオイルに変えてみてはいかがでしょうか。
サラダのドレッシングをエゴマ油やアマニ油に変えるなどすれば、とり過ぎを防ぐことができます。
ほかにも脂質には、
「代謝をアップさせる」
「脳のエネルギーになる」
「疲労を和らげる」
「集中力を増す」
などビジネスパーソンに役立つ働きがあります。
「脂は敵」という考えは捨てて、
「良質な脂をいろいろな食材からバランスよくとる」という方針にチェンジしましょう。
ここまで、タンパク質をはじめ、筋肉をつけるうえで重要な栄養素を含む食品について解説してきました。
次章では、これらをどう食べるのか? について詳しく解説していきます。
★POINT いい油、悪い油を見極めることもトレーニーの必須スキル。